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HOME MEAL MEISTER 02農畜水産物の生産と流通


18-畜産物の生産と流通(2)流通

 

農場から出荷された家畜は、と畜前に獣医師による検査を受け、健康状態がチェックされる。そこで疾病の疑いがある場合は精密検査を受け、「家畜伝染病予防法」に指定された病気にかかった家畜は焼却処分にされる。さらに、と畜後、解体する前に、と体の検査、解体中の内蔵と枝肉*1を検査する。この際に異常や疾病が認められた場合は、解体禁止、全部廃棄、一部廃棄などの措置がとられる。

2001年から行われた全頭検査は、BSEの原因とされる肉骨粉が禁止され、発生も急減したことから2005年から見直され、検査対象の牛の月齢は、20カ月齢超→30カ月齢超→48カ月齢超と段階的に引き上げられた(2009年以降は発生なし)。健康牛の検査を廃止してもリスクは非常に小さいことから、2017年4月からは48カ月齢超の健康牛のBSE検査も廃止された。

さらに抗生物質などの動植物医薬品が残留していないかどうかのチェックは、と畜・加工段階だけでなく、流通段階や店頭の市販品でもモニタリングされている。さらに保健所の食品衛生監視員による抜き取り検査が行われ、監視・指導が行われている。

*1 枝肉

剥皮、内臓摘出後の、と体を脊髄(背骨)に沿って、半分に切断したもの。


図1に示すように、と畜場で枝肉と加工された食肉は、主に食肉流通センターに運ばれ、骨を抜き、部位ごと(図2)にカット・包装され、スーパーマーケットや小売店、惣菜・外食企業に出荷される。その際には、厳しく管理された温度や衛生条件のもとで処理・加工される。

食鳥肉は、食鳥処理場で、と鳥・解体・カットまでと一貫して生産されることが多い。食鳥の処理については、法律に基づき、食鳥の疾病排除、抗生物質の残留、微生物汚染の防止の点を重点的に衛生管理が行われている。

さらに輸入される食肉および食肉加工品については、関税法に基づく輸入申告の前に、生体(生きた家畜)においては動物検疫が、食肉やハム・ソーセージなどの加工品については食品衛生検査が実施される。

図1 食肉の生産経路(牛、豚、鶏)

 

図2 食肉の部位

 

食肉にまつわる食中毒事件は後を絶たない。それ程、温度管理や衛生管理が厳しく求められるものである。流通段階あるいは店頭・売り場での管理、また惣菜製造、飲食店での保管・調理についても細心の注意が必要である。食肉の安全性については、生産、処理・加工、卸売・小売などの各プロセスにおいて様々な法律が機能している。


<参考HP>