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HOME MEAL MEISTER 03調理と衛生


32-調理の科学(切る)

包丁には和・洋・中華、材質にも鋼・ステンレスなど多種類あるが、家庭ではステンレス製の万能包丁が使いやすい。図1に包丁の各部位の名称を示した。

包丁の持ち方は、柄を持つ手の人差し指を包丁の峰、または峰近くに添えるように置くとよい。まな板の上の左手は、指を曲げて材料を押さえる。左手首はなるべく下げ、まな板につけるようにすると安定する。また身体は調理台からこぶし1つ空けて、まな板に向かう。右足を自然に開いて、心持ち後ろに引き、腰を少しひいて力を入れて上体を支える。

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図1 包丁の各部位の名称

◆包丁の使い方

1.刃先:肉の筋切り・みじん切りの切り目を入れる。

2.峰:魚のうろこや、ささみの筋取り。

3.刃:野菜、魚、肉を切る。固いもの刃元近くで。

4.刃元:じゃがいもの芽取り。


図2に野菜の切り方を示した。大根、にんじんなどは繊維に平行に切ると歯ざわりがよく、繊維に直角に切ると柔らかい。

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図2 野菜の切り方


(1)3枚おろし:あじ、さば、さんまなど

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図3 魚の3枚おろし

◆包丁の使い方

1.皮を取る時は、頭の方から包丁の背を入れて尾に向かって引く。(手で剥いても良い。)

2.皮を取らない時、あじの場合はぜいご(尾の上にある固いうろこ)を切り取る。

(2)いわしの手開き:いわしは身が柔らかいので、手でおろす。

頭や腹わたを取るのは、上と同じ。親指の先で頭から尾へ中骨の上をしごくように身をはがし、尾のところで中骨を折り、取り除く。最後に腹骨をそぎ取る。

(3)切り身の作り方

はね切り:3枚に卸した身に、包丁を斜めに入れて切る。サケ、ブリなど。

行儀切り:包丁を垂直に入れる。身の幅が狭い魚の時、この切り方をする。サバなど。

(4)刺身の作り方

平作り:庖丁の根元から切り込み、刃先で右側に送って並べていく。マグロやカツオなど。

そぎ作り:左から包丁を斜めに寝かせて薄くそぐ。鯛やヒラメなど。

(5)イカの飾り切り

イカは飾り切り(松笠イカ、鹿の子イカ、唐草イカなど)をすると味がからみやすく、噛み切りやすく、食感もよくなる。

図

図4 松笠イカの切り方

包丁を寝かせて、斜めに格子状に切り込みを入れる。


肉は切る時に滑りやすいので、包丁を濡らしながら切る。また薄く細く切りたい時は、少し凍らせておくと切り易い。

(1)肉類の切り方:包丁を引くようにして切る。

(2)肉の塊の切り方:繊維を断ち切るように、繊維に垂直に切る。

(3)肉の細切り:薄切り肉の繊維に平行に切る。

(4)筋切り:ロース肉などでソテーやカツを作る時は、赤身と脂肪との境に白く半透明に走っている筋の部分に、包丁の刃先で3~4ヶ所突き刺すように切り込みを入れる。厚い肉なら裏側からも切り込みを入れる。加熱する前に筋切りをしておくと、肉が反り返ったり焼き縮んだりせずに、やわらかく仕上がる。

(5)鶏肉ささみの筋取り:ささみには筋がある。筋の両側に浅く切り込みを入れ、これを下にし、筋の端を左手に持ち、手前に包丁の峰を当て、しごくようにして取る。

(6)鶏肉のもも肉や手羽肉:厚みがあるので、包丁を寝かせて左からそぎ切りにする。