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HOME MEAL MEISTER 05加工食品


49-伝統的な加工食品ー大豆を利用した食品

味噌は、蒸煮大豆と麹、食塩を原料とし、発酵熟成したものである。図1に示すように、全国各地で生産され(家庭でも簡単につくることができる)、気候・風土に適した地方色豊かな味噌がある。米麹や麦麹を原料とする味噌をそれぞれ米味噌、麦味噌といい、米麹と麦麹の両方を原料とするものは、合わせ味噌という。現在、国内で製造される味噌の80%が米味噌である。愛知の八丁味噌は、原料である大豆を蒸したもの、全量をまめ麹として、長時間発酵熟成する。現在、国内で製造される味噌の80%が米味噌である。

図1 全国の味噌の種類(出典:味噌づくり健康委員会HP)

また、味噌に野菜・果物・穀物・豆・魚・肉を加えて、副菜などに供する「なめ味噌」と呼ばれる味噌もある。たとえば、金山寺(径山寺)味噌 鯛味噌、ゆず味噌などが挙げられる。


醤油は、蒸煮した大豆と煎って粉砕した小麦を合わせて麹菌をつけ、麹菌を繁殖させ、しょうゆ麹をつくる。ここに塩水を入れ、もろみをつくり、1〜2年発酵・熟成させる。最後に圧搾したものが生醤油で、加熱殺菌し、“おり”を除いて出荷する。大豆のたんぱく質(アミノ酸)、小麦のでんぷん(糖)が、麹菌や酵母、乳酸菌などの微生物により、独特の風味を醸し出す。味だけでなく、香りの成分は300種類以上もあるという。味噌同様、醤油の種類は地域により特色がある(表1)。

表1 醤油の種類

色合 種類 原料比(大豆/小麦) 特徴 用途 主産地
溜まり 大豆のみ 味、色ともに濃厚、粘調 刺身、蒲焼きたれ 愛知、三重、岐阜
再仕込み 同量 味、色ともに濃厚 刺身、寿司、佃煮 山口、福岡
濃口 ほぼ同量 芳醇な香り、赤褐色 全般 全般 醤油全体の8割強
薄口 大豆やや少 淡白な香り、薄い色 煮物、吸い物 兵庫
小麦が主 より薄い色、高塩分 吸い物、茶碗蒸し 色をつけない料理 愛知

納豆は大豆を原料とした発酵食品であり、糸引き納豆と浜納豆(寺納豆)の 2種類がある。納豆は大豆を蒸煮したのち、納豆菌を種付けして製造する。糸引き納豆は独特の風味を持ち、水戸納豆、仙台納豆などが知られている。 納豆は大豆たんぱく質や炭水化物が酵素により分解されるため消化も良く、ビタミンB2 が多く含まれ、栄養価に富む。浜納豆は豆味噌の一種であり寺納豆ともいわれる。


豆腐の製造は、水に浸した大豆を水と共にすり潰した「呉(ご)」といわれる状態のものをつくり、煮沸後、布などで液体(豆乳)と固形部(おから)に分離する。得られた豆乳に凝固剤を添加し、たんぱく質を固めたものが豆腐となる。

豆腐用の凝固剤は6種類あり、それぞれ特質があり、豆腐の種類に応じて使用されている。塩凝固と酸凝固の2つの方法があり、塩凝固は海水から精製した塩化マグネシウム(にがり)や硫酸カルシウム等、酸凝固にはグルコノデルタラクトンを用いる。

もめん豆腐は、一旦豆乳を凝固させて若干崩し、布を敷いた型箱に凝固物を盛り込み、重しをかけ余分な水分を除いたもので、絹ごし豆腐は豆乳全体を固めたものである。豆腐は良質のたんぱく質が主成分のため栄養価が高く、消化率も高い良質の食品である。


湯葉は大豆をすり潰し、濾過して得られた豆乳を加熱した際、表面にできる皮膜をすくいとったものである。


<参考HP>