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HOME MEAL MEISTER 04健康と栄養


41-ビタミン

ビタミンは生体の機能を調節するために必要な栄養素である。体内で合成されないか、必要量が合成できないため、食物から摂取しなければならない。現在栄養学的に確認されているビタミンは13種類であり、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられる。脂溶性ビタミンにはビタミンA、D、E、K、水溶性ビタミンにはビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビオチンなど)とビタミンCがある。

水に溶けにくく、油に溶けやすいので、油と一緒に摂取すると吸収率が上がる。肝臓に蓄積されやすいので、摂りすぎると「過剰症」を起こす場合があるため、サプリメントで大量に摂る時は注意が必要である。

(1)ビタミンA(V.A、別名レチノール)

ビタミンAは動物の肝臓、うなぎ、卵黄などの動物性食品に多い。ニンジンなどの緑黄色野菜等に多く存在している赤やオレンジ色の色素「β(ベータ)-カロテン」は、そのもの自体はビタミン活性がないが、体内に摂取された後に小腸や肝臓中でビタミンAに変わるため、「プロビタミンA」と呼ばれている。ビタミンAには成長促進、明暗調節、上皮(粘膜)の保護作用がある。欠乏症は夜盲症、眼球乾燥症がある。

(2)ビタミンD(V.D、別名カルシフェロール)

ビタミンDは、魚類やキノコ類に多く含まれており、腸管からのカルシウムやマグネシウムの吸収を促進する作用がある。ヒトの皮膚の表面にある「7-デヒドロコレステロール」に紫外線が当たるとビタミンDが体内に合成されるため、骨の形成のためには屋外での日光浴や散歩が勧められる。欠乏症として、骨軟化症、くる病(骨の成長障害)が知られている。

(3)ビタミンE(V.E、別名トコフェロール)

ビタミンEは強い抗酸化力を持ち、過酸化脂質の生成や細胞の老化を防ぐ作用がある。植物油、ナッツ類、小麦胚芽に多く含まれている。ヒトへの欠乏症はない。

(4)ビタミンK(V.K)

ビタミンKは、怪我をした時に血液を固めて止血し、傷を塞ぐ作用がある。魚介類、乳製品、豆類、緑黄色野菜や納豆に多く含まれており、また腸内細菌もビタミンKを合成することができる。またビタミンKはカルシウム代謝にも関与しており、歯や骨の形成(石灰化)に有効であるとされている。


水に溶けやすく、油に溶けにくい。多量に摂取しても尿中に排泄されやすく、不足すると「欠乏症」になるため、日常的に必要量を摂取することが大切である。ビタミンB群(V.B群)とビタミンCなどがある。V.B群は体内で酵素の補酵素として働き、脂質・炭水化物・たんぱく質の代謝が円滑に進むように調節している。ビタミンCには抗酸化作用があり、鉄の吸収やコラーゲンの生成に関与している。

種類 主な働き 主な食品 欠乏症
ビタミンB1(別名チアミン) 糖質からのエネルギー生産に関与 酵母、胚芽、肉類、豆類、レバー、卵黄、魚類 脚気(多発性神経炎)、食欲不振、疲労感、頭痛
ビタミンB2(別名リボフラビン) 細胞内のエネルギー生産に関与 レバー、緑黄色野菜、魚介類、卵、乳製品 口角炎、内炎、皮膚炎
ニコチン酸(別名ナイアシン) 細胞内のエネルギー生産に関与 レバー、肉、魚、卵、豆類 ペラグラ( 皮膚病)、嘔吐、下痢
ビタミンB6(別名ピリドキシン) たんぱく質・アミノ酸の代謝に関与 レバー、肉、魚、豆類 皮膚炎
ビタミンB12(別名コバラミン) アミノ酸・脂質の合成に関与 レバー、卵黄、貝類、肉類(植物には含まれない) 悪性貧血
葉酸 たんぱく質の代謝に関与、赤血球の形成を助ける、胎児の正常な発育に寄与 レバー、卵黄、緑黄色野菜、牛乳、卵黄 貧血(巨赤芽球性貧血)、胎児に神経管閉鎖障害
パントテン酸 脂質・糖質・たんぱく質の代謝に関与 レバー、納豆、鶏肉 成長障害
ビオチン 補酵素として、脂質・糖質の代謝に関与 レバー、卵、ナッツ類 皮膚炎
ビタミンC(別名アスコルビン酸) 抗酸化作用、鉄の吸収促進、コラーゲンの生成、アミノ酸代謝に必要 果実、緑黄色野菜、芋類、緑茶 壊血病(出血性疾患)