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HOME MEAL MEISTER 01私たちの食生活


3-現代の日本の食生活

私たちの多くは、食べ物をお金で購入することで毎日の食生活を営んでいる。経済という仕組みの中でも、私たちの食生活は成り立っている。

農水畜産業で生産された一次生産品*1は、様々な流通経路を経て、あるいは加工や調理のプロセスを経て私たちの食卓に運ばれる。生産の場から食卓まで、多くの人や企業が携わっている。惣菜業をはじめ、卸売業や小売業、メーカー(製造業)、外食産業などの食品産業は、生産者と消費者との間を介し、食品を安定的かつ効率的に、その品質と安全性を保ちつつ、私たち消費者へ供給する役割を担っている。

図1は、左から右に向かって、農産物が私たちの食卓に届くまでの流れを示したものである。約10兆円相当の素材が、流通や加工などのプロセスを経て付加価値が付けられて、私たちが最終的に購入する食品の総額(飲食料の最終消費額)は約76兆円となる。これは、平成23年のデータであるが、その内訳を昭和60年のものと比較すると、生鮮品の割合が減り、外食や加工食品への消費額が増加している。つまり、食の簡便化への志向の高まりや外部化*2を背景に、私たちの食生活は加工度が高いものとなっていることがわかる。

図

図1 農林漁業及び関連産業を中心とした産業連関表(飲食費のフローを含む)

出典:農林水産省大臣官房統計部 平成28年3月

*1  一次生産品

農林水産業や鉱業など、一次産業で産出されるもの。食品でいえば、農場や漁場から収穫(収獲)された素材である。

*2  外部化

調理を家庭外で行うこと。弁当・惣菜や外食は、家庭外で調理されたものを食べている。


昭和30年代の高度経済成長期以降、経済の発展と共に、技術の発達を背景に、余暇時間が増大した。家計の中で飲食費の占める割合を示す「エンゲル係数*3」は、終戦直後の昭和22年は63.0%であったが、その後生活水準の向上に伴って低下し、ここ数年は23~25%台となっている。食べることで精一杯であった時代から、生活の水準が高くなったということを裏付けている。 


戦後に始まる欧米先進国型の食生活を追随する栄養改善策が推進され、日本人の食生活は、従来の米を主食とする炭水化物偏重型から洋風化していった。食事の「PFCバランス*4」を見ても、脂質摂取率の高い食生活に移行してきていることがわかる(グラフ1)。食生活のみならず、運動が不足がちな生活スタイルも手伝って、肥満や生活習慣病の増加が注目されるようになった。今や、栄養を減らす食生活に重点が置かれる時代になった。

グラフ1 食事のPFCバランスの変化(厚生労働省 国民健康・栄養調査をもとに作成)

*3  エンゲル係数

家計の消費支出に占める飲食費の割合(%)のこと。食料・水などの飲食費は嗜好品に比べて節約が難しいとされるため、一般にエンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとされる。

*4  PFCバランス

食事のタンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)のカロリーバランス。理想的な食事のPFCバランスは、Pが12~15%、Fが20~25%、Cが60~68%と言われる。


かつて、国内農業と食品製造業は「車の両輪」と言われた時期があり、「国内で生産されたものを国内で加工して消費する」というサイクルがうまく回っていたが、そのサイクルが狂うようになった。それは、旧来の気候風土に合った食生活から逸脱した食生活を送るようになり、食材や飼料を海外に求めたことが一因である。さらに昭和60年代から平成の初めにかけて、円高と貿易自由化を迫る外圧の高まりを背景に、安価で安定的な食品の供給を求めて、多くの企業が生産・加工基地を東南アジアや中国を中心とする海外に求めて進出したことも要因とされる。そしてその結果、国内生産の空洞化を引き起こし、食料自給率の低下の一因となった(→1章-5参照)。


<参考HP>